2021年5月22日土曜日

【84】ArchiveSpaceの機能を試す

今日もArchiveSpaceの続きです〜
まず以下でArchiveSpaceを立ち上げます。環境によっては立ち上がるまで少し時間がかかります。




前回、menuの変な日本語訳でかなり盛り上がりましたが、ArchiveSpaceの翻訳はGoogle翻訳だそうです。私もGoogle翻訳さまさまにお世話になっていますが、このような専門的なSWでは無理がありますよね。少し納得です。

今日は前回と同様、イエール大学のマニュアルをみながらやってみます。
https://docs.google.com/document/d/1DI_7YNZy-RcjQ9hpMMbxJEkHFpYndzmDoG3ylOc38BY/edit

デジタルオブジェクトの登録(p.90〜)
まず試すのは、Digital Object Recordsの登録です。
試しで写真を1枚登録してみます!
  1. Toolbarから「作成」をクリック
  2. デジタルオブジェクトを選択
  3. タイトルやID、フォーマット、利用制限などの項目を登録
  4. 保存

順番は難しくないですが、入力する情報が結構色々あります。次に、画像を登録しようとしましたが、写真の画像をとこでインポートするかが分かりません。探してもそれらしいメニューが見当たりません。そこで、ハット気づきました。これは、「メタデータを管理」するシステムであることに。(・・;)

ArchiveSpaceはどうもAtoMのように画像そのものも一緒に登録するものではなさそうです。そこで、マニュアルを再度読んでみると確かにそうでした。おおおお〜これは予想外の展開です!

こうなると、デジタルオブジェクトを保存するサーバー、メタデータ管理システム、閲覧システムの三つを組み合わせないと一般公開ができないということになります。管理上では理にかなっていますし、大量のデータを扱う機関では当たり前のシステムですが、貧乏な機関には三つの機能を(不完全ではありますが)ある程度提供するAtoMの方が導入しやすい気がします。

画像はArchiveSpaceとサーバーをつなげてURIなどを登録すれば、サムネイル画像が表示されるようですが、我々にはつながっているサーバーもURIを付与したデータもないので、試しようがありません。なので、はい〜つぎつぎ〜〜

階層を持つ資料の登録

さてさて、我々アーキビストには階層を持つ資料の登録が気になります。ということで、階層レベルの記述ができるかを試してみます。

作り方は簡単で、メニューのAdd Child、Add Siblingをクリックして階層を作成します。そうすると、コレクション、ファイル、アイテム(日本語は「項目」となっている。笑)の順で階層が作成されます。いいじゃないの〜

(子供とかでつくっちゃってごめんなさい!)

膨大な量の資料登録には、CSVテンプレートが必要なので、テンプレートから登録できるかも試します。しかし、適切なCSVテンプレートはなさそうです。

↓ここを見ると、テンプレートが色々ありますが、どうも階層の資料を登録できるCSVテンプレートはなさそうです。

Migration tools & data mapping

しかし、エクセルをEADに変換してからArchiveSpaceへ登録するのが主流でしょうか。以下では様々なデータ形式の変換方法があります。EADへの変換はもはや人間がやるものではなく、機械でやってくれるので、それならできる気がしますが… oXygenエディターでできるみたいなのでぜひお試しあれ。(うん?なに?やらないよ。各自やってみて〜 笑)

Yale Archival Management Systems Committee: Excel to EAD

はい〜つぎつぎ〜

保存場所の登録(p.46)
今度は、保管場所との関係が気になるので、46ページ、Container Profile Recordsを試します。ここは若干概念などが理解できず時間がかかりました。

保管場所の管理には、場所(location)、トップコンテナ(top container)があって、各自にプロファイル(詳細な内容)を登録します。そうすると資料を登録する際の「インスタンス」という項目から紐付けることができます。


しかし、ここで議論になったことは、「トップコンテナ」とはなんぞや!ということでした。
トップコンテナについては以下に説明があります。

University of Denver Special Collection Processing Manual

上記によると、
Top Containers are used in ArchivesSpace to describe physical, circulating items. They are the same as item records in the library management system. ArchivesSpace draws a distinction between the physical aspects of containers (e.g. their profile, barcode, and location) and their archival aggregate aspects (e.g. the archival resources they contain). The former are recorded on the Top Container record; the latter are recorded on one or more Archival Object records describing the container’s constituent archival resources.

だそうです。あは!そうか!
うん?なに?本当にわかった?
しらねーよ。上に書いてあるとおりだよ。¯\_( ͡❛ ͜ʖ ͡❛)_/¯

でもとにかくやってみました。作成はいつもToolbarにある「作成する」から選択すればできます。


こんな感じで入力します。

スペース計算機というのがあって、保存場所の高、幅、奥行きを入れれば面積を計算し、どれくらいのものが入るかの計算ができるみたいです。単純な計算と実際の場所の使い方は異なるし、箱の面積も入れなければ計算ができないという面はあるけど、うまく使うと役に立ちそうです。

コンテナ管理関連では以下のページが詳しいです。

Yale Archival Management Systems Committee: Container Management

ArchiveSpaceとAtoMの違いのひとつは、ArchiveSpaceには図書館や博物館の資料を登録することも考慮されているので、トップコンテナのようにアイテムとしての資料を管理する際の物理的場所の管理に階層の概念が現れていることかなと個人的には感じました。我々AtoMばっかりやっていて、この部分は若干カルチャーショックを受けた部分でもあります。でもとても良い勉強になりました。

ArchiveSpaceの今までのユーザーコミュニティの実績は、以下のように沢山蓄積されています。お時間のある方はぜひ勉強して教えてください〜(うん?私はちょっと忙しので…苦笑)

Community Generated Resources
https://archivesspace.atlassian.net/wiki/spaces/ADC/pages/16449557/Community+Generated+Resources

今日はここまでです。では、またね〜 (•◡•) /

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次回は、6月4日(金)です。
EADをArchiveSpaceに入れてみます。


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