2021年3月20日土曜日

【80】Alfrescoレコマネ続編パート7

久しぶりにブログ担当の平野です。

今日は人数が少なく(最大接続数7名)、最初はゆるーく始まりました。ブログの書き手が来るまで待とう、ということになり、今後のことなどをつらつらと話し合いながら、 平野は夕ご飯をもぐもぐしておりました。

例えばアーカイブズ記述用システムに立ち返ってArchivesSpaceやってみる?とか、以前に意見が出たように、ストレージサービスを試してみるか?とか、Archivematicaを試したときもpipelineの設定ってうまくできなかったよね、といった話が出ました。

師匠からは、ストレージをやるとしても、アーカイブズの保存庫としてどういう機能が必要かをしっかり考えなければいけないというお言葉をいただきました。Archivematicaと連携できるサービスはいくつかあるので、それのどれかを試してみるのもいいかなと。

また、Archivematicaは、長期保存するオブジェクトの状態についてauditする機能はあるのか、という話題も出ました。なんか自動的にやってくれている感じがしないねえ、というのがその場にいた人の感想ですが、例によって確かめたわけではありません。

そうしたおしゃべりのなかで、とりあえずご飯を食べ終わった私が、なんとなくとっていたメモをブログにアップする羽目になりました。いつものスクショあり絵文字ありのブログに比べると粘土板に楔型文字のレベルですが、まあハードル下げるということでー。

で、いろいろありまして、とりあえずAlfrescoが立ち上がっているので画面を共有することになりました。そもそも、電子記録もライフサイクルに沿って管理するわけですので、どこかの段階で現用管理のための保管場所から、ほかの保管場所に転送(transfer)する必要があります。その機能の使い方がわからないので見てみようということになりました。

Transferは、記録をほかの保管場所に移すことですが(何かが移動するだけ)、特別なtransferとしてaccession(普通だと「受け入れ」になりそうですが、Alfrescoでは「受諾」と訳されています)があります。Accessionは法令等に定められた義務的な移管で、物が移動するだけでなく、所有権や管理権なども、受け入れる側に移る、というのがAlfrescoでの考え方です。各自マニュアルを読んでください。

で、以前作った記録を見てみると、2月の初めに、「2週間後にカットオフして、カットオフの時点で即時破棄」という(しかも規程上5年保存)めちゃくちゃな設定をしたのですが、レコマネ担当者に「カットオフしたよー」というようなお知らせがあるわけでもなく、破棄もされていません。

「どうなってるの?」と思って分厚い(でもデジタルなのでたんにページ数が多いだけ)マニュアルを読んでみてもよくわかりません。もしかして、自動的にやってくれるわけじゃないのか?ということになり、サンプルデータだといろいろ複雑でめんどくさいので、以前適当につくったカテゴリ「展示会」でしたっけ、あれで新たにスケジュールを設定してみることにしました。

こんどはすぐに結果がわかるように「即時カットオフ、即時破棄」でやってみます。そうすると、カテゴリの横の様々なアクションが出るところに「破棄(destroy)」という選択肢が表示されるようになる、とマニュアルには書いてあるのです。しかし、表示されません。

「なんで出ないんじゃー」とまたマニュアル読みなおしたり、あれが悪いとかAlfrescoのバグだとかなんとかやりとりしていたら、なんと、「破棄」および「カットオフ取り消し」という選択肢がいつしか登場したのです!Yeah!この時間差の意味は私にはわかりません。師匠が何かおっしゃっていたのですが、コーフンしてメモれませんでした。すみません。

せっかくなので「破棄」してみましょう~。

*注:Alfrescoには、「削除」(delete)と「破棄」(destroy)の2つがあります。前者は本当に何もかも消してしまうというアクションですが、後者はルールにのっとった処分(disposal)の一つで、destroyしても、フォルダがそこにあった痕跡とメタデータは残され、破棄したことは監査ログに残り、破棄レポートを出力して保存することもできます。これは便利です!

2度、「ほんとうに捨てんの?」「ほんとにいいの?」という趣旨の確認ウィンドウが出ますが、めげずにびしっと「破棄」したところ、確かにできました。フォルダの見た目の雰囲気がちょっと違うような気がしましたが(気のせいかもしれない)、まだ表示されています。確か、ここに「破棄済み」とか出たのではなかったでしたか?(誰か教えて)

レポートも出力(すっごいシンプルですが)して保存できました。また、フォルダの監査ログには、破棄のタイムスタンプがしっかり押されていました。

ここでやめてもよいのですが、気をよくしてtransferもやってみることにします。

またまた適当なカテゴリ「2018年度企画展」を作り、直下にフォルダ「太郎」を作成し、ファイル「脅迫状」を呼んできてメタデータを編集し、レコードにします。

→カテゴリのメタデータの編集→保管権限と保管指示「永年保存」→保管スケジュールの編集で「カットオフ即時」のあと「受諾」(accession)するように設定します。

前回しばらく時間がかかったので、この時点を記録します。20:47です。

しばし歓談......(わいわい)

20:51 に「受諾」という選択肢が出ました!やっほー

「受諾」すると、即座に「転送」されて.....どこに行ったのかと思ったら「転送」フォルダに移動しただけでした。なので、「転送」フォルダにある「太郎」のアクション選択肢にある「転送完了」をクリックしたら......

フォルダが消えました!どこかに行ってしまった!ーーーあれ、でも、元のファイルは残っているではあーりませんか!

そういえばマニュアルにはそのように書いてあったのでした。転送せよ、というと転送用にデータをひとまとめにして、転送フォルダに送って、そこからどこかに転送する。元のフォルダ等はそのままシステムに残るので、転送したらなくなってほしい場合には、「転送完了したら破棄」というような手順を組んでおく必要があるらしいのです。

しかし、わからないのは、肝心の転送場所はどうやって設定するのか?ということです。

転送した私たちのファイルはどこに行ってしまったの?????

気を取り直して、「受諾」ではなく「転送」を試してみます。今度は「次郎」フォルダを作って、「即時カットオフ」「即時転送」「転送後即時破棄」とします。

今回は転送したら、フォルダのアクションに「破棄」も出たので、ちゃんと動いたことがわかります。でも、どこに転送されたの????

というわけで、転送する先の設定がわからないまま転送したファイルは、サイバー空間に(じゃないかな)消えてしまったのでした。つまり、スケジュール作ってドキュメント作って記録にしてなんでもかんでもログやレポートも出るような賢いシステムを使って、あげくのはてにその記録を、定めたスケジュール通りにどこともしれぬところにシュパッと放り出す、というナゾな記録管理をしてしまったところで、今回は終了です。


次回は4月2日(金)19時からでーす。

2021年3月6日土曜日

【79】Alfrescoレコマネ続編パート6

前回のつづきです。機密指定classify機能は、無料版のCommunity版にはありませんでした。説明書にもないと書かれているようです。なので、有料版で使うしかないようです。

今日は、前回実行できなかった1.監査ログの記録化、2.ファイリングルールの自動化を試してみたいと思います。


1.監査ログは前回見えなかったと思ったのですが、ブラウザの裏に隠れていて、気づかなかったのです。全ファイル、誰がどの操作をしたかしっかりログができていました。
では、前回の記録からの続きです。整理保管フォルダに保管されているファイルのメニューから、監査ログを表示させることができます。


さて、監査ログはすべてのファイルに生成・記録されていくものですが、権限のある人(permission)のみにが閲覧することができます。しかし、必要な時にそのログをレコードとして作成し、使うことができる機能が「レコードとして整理保管」です。例えば、ある時点までの監査ログを「レコードとして整理保管」機能を使い、「監査レポート」を作成します。すると、同じフォルダの中に「audit_。。。。。。.html」といったファイルが作成されます。このauditファイルは、おおもとのレコードIDと同じIDが付与されるため、どのレコードの監査レポートかが分かります。



・完了済みの「企画書A」ファイル→監査ログ→「レコードとして整理保管」クリック→同フォルダ内にaudit。。。の監査レポートが作成され→クリックしたときの画像

想定される使い方としては、怪しいアクセスや改ざんなどがあったかと疑われる記録を、この機能でレポートを作成させ、レコード管理委員会などで不正などを確認する作業を行う際に使うとか。「ほら、変なことやったのでは?」と証拠として提出するなどでしょうか。詳細は、「Alfresco 3 Records Management (2011)」のp.387(Deliverables from the records audit)とp.379(The Audit tool)を参照しました。



また、レコード管理の管理者用ツール(RM Admin Tools)では、個々人の監査レポートも見る・作成することができます。例えば、マドギワさんのシステム内の活動などが「監査レポート」で見れます。これは監査ログが個別のレコードに対するログといえば、個人のログはシステムへのアクセスやアクションログのようです。
・レコード管理の管理者用ツール(RM Admin Tools)でマドギワさんの名前を検索してみた


では、フォルダ内ファイルをすべて「エクスポート」してみます。まず、Zipファイルで保存し、中のxmlファイルのを見てみました。エクスポートしたところ、各ファイルにすべて生成される監査ログの記録は書かれていませんでした。ただし、先ほど作成した、監査レポート「audit~」ファイルはエクスポートできていました。




2.では、ファイリングルールの自動化についてです。右上のルールの作成をクリックしたら、整理保管プランの下位フォルダの新しいルールを策定してみます。前回はクリックできないかと思われたんですが、できるのが分かりました。Automating File Planです。



ルールの定義を下記の図のよう設定してみます。各項目はプルダウンで選択することができます。今回は、「アイテムが変更されたとき」に自動に「指定したフォルダに移動」する設定をしてみました。



新しいルールを作りました。



その後、任意のファイルのプロパティでメタデータを編集(変更)してみたら、先ほどルールで事前に設定しとい保存先に変更したファイルが移動されていました。ルールを事前に作っておけば、自動的にルール通りに動作することが確認できました。



次回は、easy acess recordがdeclareできない現象について、もう少し調べてましょう。そしてAlfrescoの次はどのソフトウェア(アプリケーション)を対象に勉強会するか、考えてみましょう。

ちなみに、Alfrescoのマニュアル項目ごとにリンクされていたビデオチュートリアルはここにまとめられているよう変更されていました。ご参考までに。


次回は
3月19日(金)19:00〜
です。


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